常陸多賀駅周辺地区グランドデザイン検討ワークショップの開催結果について
常陸多賀駅周辺地区整備事業において目指す、魅力ある駅前空間の形成に向けて、現在、デザイン監修者とともに「グランドデザイン」の策定作業を進めています。
グランドデザインでは、地区の望ましい将来像を描きながら、駅前空間におけるにぎわい創出にむけた効果的な土地利用方針、デザインコンセプトなどを示す予定です。
策定を進める中で、社会人や学生、子育て世代など、幅広い世代の視点から駅周辺に望まれる機能等を検討するためワークショップを開催しました。
1 目的
駅前空間の魅力を高めていくためには、住む人や訪れる人が使いやすい施設などを整備するだけではなく、楽しく使える「まちの使い方」を「使う人」と一緒に考えていくことが重要であるため、コミュニティや商店会、事業者などとの意見交換や、駅利用者アンケートなどを通じて「まちを使う」皆様の意見を継続的に伺っているところです。
本ワークショップは、これまで市が実施してきた調査や意見交換等の内容をもとにしながら、様々な世代の人が集まり、同じテーブルで常陸多賀駅周辺の未来(将来像)と駅周辺の望ましいまちの使い方を検討することを目的として開催しました。
2 開催日等
(1)開催日
- 第1回:令和4年9月3日(土曜)
- 第2回:令和4年10月2日(日曜)
- 第3回(成果報告):令和5年2月25日(土曜)
(2)参加者
- 人数
第1回:33人 第2回:38人 第3回:30人、延べ101人 - 参加者の属性
多賀駅周辺地区の商店会の代表、常陸多賀駅を最寄り駅とする8学区(大久保、河原子、成沢、油縄子、諏訪、金沢、塙山、大沼)のコミュニティ推進会の代表、小学校PTAの代表
常陸多賀駅周辺で活動を行うまちづくり団体のメンバー、常陸多賀駅周辺のまちづくり、駅舎整備に関心のある方、学生、多賀エリアで働く会社員、子育て中の主婦 など
3 内容
(1)第1回ワークショップ
「未来の常陸多賀駅をみつけよう」をテーマとして、駅周辺を西口、駅、東口の3つのエリアにわけ、それぞれのエリアに必要なものや場所、その使い方について、アイデアを出し合いました。(詳細は、未来の駅周辺に望まれる機能をご覧ください)。グループワークによる活発な議論によって、望ましい地区の将来像を描き、それぞれのエリアで展開されるアクティビティの具体的内容を把握することができました。
(2)第2回ワークショップ
1回目のワークショップで出された各エリアの使い方について、優先順位付けを行いました。
駅周辺を前回よりも詳細な6つのエリアにわけ、数多く提案されたまちの使い方の中から、それぞれのエリアで優先される行動・活動について、グループで話し合い発表しました。駅周辺だけでなく、周辺市街地とのつながりや利用者像を考慮しながら検討を行い、駅周辺に望まれる多くの機能の中でも、特に大切な使い方はなにかを整理し、参加者同士で共有することが出来ました。
(3)成果報告会
これまでの地域の皆様との意見交換会やアンケート、ワークショップの成果などを踏まえて取りまとめた、常陸多賀駅周辺地区のグランドデザイン素案を説明し、意見交換を行いました。
4 各回の内容とグループワークの成果
第1回 ワークショップ
(1)プログラム
- step1
- デザイン監修者(マウントフジアーキテクツスタジオ一級建築士事務所 原田氏)より、プロポーザルで提案した多賀駅周辺の整備コンセプトについての説明がありました。
- step2
- グループにわかれて、検討テーマ「未来の常陸多賀をみつけよう 常陸多賀に必要なもの・場所、自分ならこう使いたい」について意見を出し合い、キーワードやイメージ写真を駅周辺の地図にはりました。時間を区切ってグループのメンバーを交代するワールドカフェ方式で行い、それぞれのテーブルでの意見を共有しながら検討を深めました。
- step3
- グループごとに将来の常陸多賀駅周辺をキャッチフレーズとしてまとめ、発表して参加者全体で共有しました。
(2)当日の様子
(3)各テーブルの発表内容
第2回 ワークショップ
(1)プログラム
step1
第1回のワークショップでの成果を報告しました。
【第1回ワークショップ結果の分析内容:未来の駅周辺に望まれる機能・未来の駅周辺での活動・行動】
駅周辺を3つのエリア(西口/駅/東口)にわけ意見を整理し、未来の駅周辺に望まれる機能を下図のようにまとめました。
- 西口エリアでは地域密着型店舗や交流の場、図書学習スペース、駅エリアではオープンスペースやバリアフリーでアクセスしやすい環境、東口エリアではイベント時につかえるオープンスペースや交通機能の導入を望む意見が数多くありました。
- また、3つのエリアに共通して求められる機能や2つのエリアに跨って望まれる機能が多数あり、それぞれのエリアでは、その敷地規模に対して、非常に多くの機能が望まれていることがわかりました。
- そのため、機能に含まれる行為や活動に着目し、意見を再整理した結果、駅周辺で30の行為が望まれていることを確認しました。
- 駅周辺で望まれる30の行為や活動は「停める」や「(交通機能を)便利に利用する」などの交通結節点機能に関連する内容だけでなく、「売る」「買う」「商う」などのなりわいの活動や「交流する」「催す」「表現する」など、生活を豊かにする行為などがあり、未来の常陸多賀駅周辺エリアで実現したい、多様な駅周辺の使い方が明らかになりました。
step2
常陸多賀駅を中心に、河原子海岸から末広町1丁目付近までの地図を参加者全員で囲んで、多賀のまちの現状や未来について意見を出し合い、駅周辺だけでなく、常陸多賀エリア全体を対象に望まれる活動や機能を検討しました。
step3
駅周辺を6つのエリア(市有駐車場エリア/駅西口エリア/駐輪場・こ線橋エリア/自由通路エリア/東口エリア/三角地エリア)にわけ、それぞれの場所で最も大事な、核となる活動についてグループで話し合い、発表、共有しました。
step4
デザイン監修者(マウントフジアーキテクツスタジオ一級建築士事務所 原田氏)から、ワークショップを通じて感じた思いなど、まとめのお話がありました。(下記要旨)
- 施設整備が最終目標でなく、未来の常陸多賀のビジョンと、そこで展開される様々な行為、「こと」がスムーズに実現できるような場所づくりをすることが建築の役割だと感じた。
- 参加者の意見は、駅周辺に留まらず、海岸へのアクセスやよかっぺ通りからの見晴らしなど、周辺市街地との関係に必ず言及されているため、そのことをきちんと受け止め、建築計画に反映させていきたい。
(2)当日の様子
(3)各テーブルの発表内容
第3回 成果報告会
これまでの地域の皆様との意見交換やアンケート、ワークショップの成果などを踏まえて取りまとめた、常陸多賀駅周辺地区のグランドデザイン素案を説明し、意見交換を行いました。
参加者のみなさんからは、これまでの数多くの意見や成果が反映されており、駅周辺整備への期待が高まったという感想をいただきました。
また、地域の資源である河原海岸方面や、茨城大学・多賀高校方面へのアクセス環境の向上など、駅周辺に留まらず、より広域な範囲でのまちづくりをすすめてほしいという意見や、まちづくりのプレーヤーとして大学生の活動へ期待すると共に、学生だけでなく、多様なまちづくりプレーヤーの発掘、育成が常陸多賀駅周辺地区の将来像実現のために必要であること、駅周辺整備やまちづくりに関して、市の積極的な情報発信を求める意見などをいただきました。
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