グランドデザイン ~2035年の「日立市の公共交通の将来像」~


グランドデザイン図 ~2035年の「日立市の公共交通の将来像」~

「公共交通のスマート化」では、慢性的な交通渋滞や高齢者などの移動手段の確保など、日立市の交通におけるさまざまな課題解決に加え、交通や移動の活性化によるまちの賑わい創出をめざします。そのため、まずは2035年の「日立市の公共交通の将来像」をグランドデザインとして、皆さんとつくり上げたい未来のビジョンを描きました。今後、市民や関係者の皆様との対話をはじめ、社会潮流や技術発展を踏まえ、グランドデザインの更新を行いつつ、実現に向けて取組を段階的に計画・実行していきます。

1.オンデマンド型の自動運転カー

(実現したい姿)

小学校の統廃合が進み、通学距離が伸びた児童が、安全に無理なく通える

 

(主な取組)

  • 自動運転車両を通勤・通学等、朝夕時間帯ではシャトル運用、昼間はオンデマンドで走行
  • 移動データ(用途、利用者、天気等)のAI分析等により、最適な車両数やルート等を最適化

2.最寄りのモビリティハブまでつなぐ高齢者向け次世代モビリティ

(実現したい姿)

高齢者でも安心安全に自宅からの最寄りのモビリティハブ(バスと電車など、複数の交通手段の接続地点)まで移動が可能になる

(主な取組)

  • 自宅からモビリティハブまでの移動が困難な高齢者などでも移動がしやすいモビリティを整備
  • 一人乗りや乗用車型などのモビリティに加え、ベンチ型など複数人用のモビリティで、乗客は話しながら移動することが可能

3.車両が使いたい場所まで届くデリバリー型カーシェア

(実現したい姿)

自家用車を持たないことにした家族が好きな時にシェアカーを自宅まで呼べる

(主な取組)

  • サービス提供者が利用者の自宅までシェアカーを配達
  • 利用頻度の低い自家用車や駐車場なども活用し、シェアカーの拠点を拡大
  • 将来的に完全自動運転が実現している時代には、自動配車サービスを実現

4.多様な公共交通の経路を検索する統合アプリ

(実現したい姿)

公共交通を利用する方が、簡単にドアtoドア(出発地から目的地まで)の最適なルートを知ることができる

(主な取組)

  • 次世代パーソナルモビリティなどの拠点情報を提供
  • 将来的にはBRT(バス高速輸送システム)やタクシー、路線バスなどの日立市内の交通手段の情報を統合し、公共交通を使った移動の最適なルートを案内

5.自動運転を活用した移動型店舗

(実現したい姿)

忙しく買い物に行けない方が、必要なものを必要な時に購入することができる

(主な取組)

  • 地域内のにぎわい創出に向け、駅前などの特定のエリアで、飲食関連の移動型店舗(キッチンカーなど)を誘致
  • 将来的に、移動型店舗の自動運転化やサービス多様化(薬販売など)を進めることで、地域物流を変革

6.ハンズフリーの乗降車&決済

(実現したい姿)

乗換えを面倒に感じる観光者がハンズフリーで快適・ストレスフリーに移動可能になる

(主な取組)

  • スマートフォンなどを活用し地域交通のキャッシュレス化を支援し、交通事業者のDX化を促進
  • 将来的には統合アプリと連携し、例えばバスと電車などの複数の交通手段を合わせた移動でも、料金を自動で最適化し、乗車後に自動で支払いが可能なサービスを提供

7.次世代モビリティと共存するウォーカブル空間

(実現したい姿)

日立駅前が更ににぎわい、誰もがふらっと出かけ、散歩を楽しめる

(主な取組)

  • 特定エリアでの車両走行制限やパーソナルモビリティの整備を推進し、住民が動きやすいまちづくりを促進
  • 徒歩でもついついお出かけしたくなり、周辺エリアの施設や店舗の利用や消費行動を促進

8.既存の公共交通と連携した通勤者向け次世代モビリティ

(実現したい姿)

乗換えの待ち時間がなくなり、渋滞も緩和され、通勤者がストレスなく出勤できる

(主な取組)

  • 電車やバスなどの既存の公共交通と、電動キックボードなどの次世代モビリティとがシームレスに繋がり、便利に移動できるサービスを提供
  • 特に通勤者の公共交通利用を促進することで、道路の渋滞緩和に貢献

9.移動サービスを集約したモビリティハブ

(実現したい姿)

誰もがより便利にストレスなく移動でき、モビリティハブを中心に人々の交流が盛んになる

(主な取組)

  • 住民それぞれに合った移動手段で効率的に移動できるよう、交通・移動サービス提供の拠点を集約し、交通結節点を創出
  • 更に、その場所自体が人々の交流の場としての役割を果たし、さまざまなサービスを創出

10.交通ネットワーク/モビリティ管理

(実現したい姿)

モビリティ利用者、歩行者ともに、意識せずに安全に移動することができる

(主な取組)

  • リアルタイムの交通データや個々のモビリティ情報を収集・分析し、モビリティの運行管理を最適化
  • 蓄積データとAI技術の活用により、最適かつ安心安全な交通計画やモビリティ運行を立案