第1回 ヒタチノヒトタチ 阿部田英樹さん
ヒタチで活躍する様々なヒトタチにインタビューする、『ヒタチノヒトタチ』始まります!
記念すべき第1回目は…
「工務店の代表」、「居酒屋のオーナー」、「大学生との合同イベント企画」という三足のわらじを履きこなす、阿部田英樹(あべたひでき)さんにお話をお伺いしました!
Q 阿部田さんって、一言で言えばどんな方なんでしょう?
A そうですね。僕は「やりたいことがたくさんある人」です(笑)
今は三足のわらじを履いていて、工務店の代表、居酒屋のオーナー、あと大学生と集まって楽しいことを企画したりしてます。
Q 短い発言の中に、気になる情報がいっぱいです(笑)まずは工務店からどんな感じかお聞きしていいですか?
A 工務店は本業であり、僕のルーツでもあります。
高校入学前、お小遣い欲しさに祖父の工務店の手伝いをはじめたのがきっかけで。でも、祖父について現場を回るうちに、クライアントの頭の中にある「イメージ」を「かたち」にするこの職業がどんどん好きになっていったんです。
今は、祖父の工務店から独立しました。独立したきっかけは、祖父の工務店が火災にあったときに、周囲の皆が親身になって助けてくれたことですね。その時に受けた恩を、必ず返したいとずっと思ってました。そんな時に、東日本大震災があって。「ああ、ここで恩を返さなかったら二度と誰にも返せない」って強く思ったんです。なので、震災の10日後には、自然な流れで独立してました。
店名の「zosun(ゾーサン)」は、造とsun(太陽)っていう意味です。前向きなイメージだし、覚えやすいから気に入ってます。今はお客様同士の繋がりで仕事をいただいている大変ありがたい状況なんです。
Q 居酒屋もやってるんですよね?居酒屋を始めようと思ったきっかけは?
A 学生時代の鮮魚店でのアルバイトがものすごく楽しかったんです。売り方次第で、同じ商品なのに売れたり売れなかったりするっていうことが、驚きでしたね。なので、サービス業への興味がずっとあったんです。
あとは、もっと人とつながりたい気持ちと、僕よりも若い世代(アルバイトやイベントスタッフ)に、人への興味を持ってもらい、素敵な大人になるための手助けが出来たらと思い、居酒屋を始めた感じです。
Q やったことのない業界で躊躇は無かったんでしょうか?
A それが、全然なかったんです。行動あるのみっていう気質もあるとは思うんですけど、今お店を任せている店長に絶対的な信頼を置いているっていうのが一番の理由です。店長は僕の中学校時代の先輩なんですが、なんとこの方、一切料理が出来ません(笑)でも一緒に店をやるなら、先輩しかいないって思った。
別の仕事をしている先輩に「一緒に店やりましょう!」っていう僕も僕だけど…「いいよ!」って言って仕事を辞めて、僕と一緒にやってくれている先輩も先輩だなって思います(笑)
もちろん、ちゃんと料理人も一緒に働いていただいていますので御安心ください。
Q 大学生と関わって、楽しいことをやってるっていうのもすごく気になります!
A いろんな偶然が重なりまして、茨キリ大と茨大の大学生達と活動させてもらってます。二つの大学を繋いだ、「Hyphen(ハイフン)」という名前のグループも出来ましたし、「GO-ON(ゴーオン)常陸多賀」という、多賀地区の楽しいこと好きの大人の集団も出来て。それぞれ連携しながら、楽しい時間を過ごさせてもらってます。
去年は、茨キリ大の食品関係の専攻の学生とオール茨城産のお弁当を作って、シーマークスクエアで販売しました。「栄養バランスのいい減塩のお弁当を作りたい!」って学生が言い出したことがきっかけです。結果は200食完売。連日連夜、学生たちはお弁当作りに熱中していたから、成果が出てよかったなって思います。
僕は日中の工務店業務の後に参加していたので、正直なところ大変でしたが、学生たちの笑顔とあのきらきらした目を見ると、そんな疲れも吹き飛びましたね(笑)
Q お試し移住「ひたちトライアルステイ 海のみえる家」のリノベーションにも関わっていただきました。
A 今までは、実際に住んでくれる人とか使ってくれる人とか。顔の見える範囲の仕事ばかりだったから、いろんな人が利用してくれる空間を作るっていうのはとても不安でした。作り終わった直後は、「大丈夫かな?」って。初めての感覚でしたね。
今はもうそんなことは全然なくて。あの家にいろんな方が来て、日立を楽しんでもらえてるっていう手応えがあって、僕自身もわくわくしています。
Q 話を伺っていると、「つながり」は阿部田さんの中で大きなキーワードなんですかね?
A やっぱり人のつながりで今の自分があるって思っているから、それはずっと芯の部分にあります。
人とつながることって、大変なことですよね。他人だから衝突もあるし。でも僕は、それこそが人だって思ってます。人とつながることで、自分に変化が生じて、それが他の誰かに影響していく。それは僕にとって、自分がどんどん広がっていくイメージなんです。
昔、母親に「あなたは釘なの、出る杭は打たれると言うでしょ。釘も同じように打たれるのよ。でもね、沈まずに堪えてその場所に居続ければ釘は光り始めるからね。」っていう言葉を貰いました。この言葉は、ふいに思い出しますね。僕本当は面倒なことは大嫌いなタイプなので、この言葉がなかったら、腰を据えてやるっていうことがなかったかもしれない。
Q 阿部田さんはこれからの日立市がどうなって欲しいですか?
A 一言で言えば「楽しいまちであって欲しい」です。今は学生と関わったりしているけど、それで社会が良くなってほしい、というような大きな視点があるわけじゃないんです。僕は本当に、小さなこと、自分が楽しいって思えることをやっているだけだから。
進学で日立市に来た学生が、日立を好きになって、そしてそのまま残ってくれたらいいなっていうのはあります。実際に、僕と一緒に活動していた茨大の子が卒業後「楽しいから」っていう理由で残ってくれて、それがすごく嬉しかったんですよね。
Q これからの阿部田さんは?
A どんどんデジタル化が進んでいくとは思うんですが、やっぱり人の繋がりや温かさみたいなアナログ感は大事にして生活していきたいなって。
それと、いずれ建築カフェみたいなことをやりたいんです。うちのカフェに来れば、「あの工務店はよくやってくれるよ」とか、クライアントと工務店をマッチングさせるような。僕も建築士としてアドバイス出来ますし。
あとは、建築だけじゃなく、お茶をしながら次世代の夢の話を聞かせてもらうとか、困ったことがあればあそこのカフェに行けば解決出来るよという、人と人を「繋げる」、まちのHUB(ハブ)になるような場所が提供出来る人になりたいですね。
ただ、やりたいことがたくさんあって、体が一つじゃ足りないなあって。今のところ、それが一番の悩みですかね(笑)
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